不動産会社がSEOに取り組むメリット
不動産会社にとってSEO施策は、コストパフォーマンスやブランディング、中長期的な集客力の獲得といったメリットがあります。3つの視点から詳しく紹介します。
広告費をかけずに多くのユーザーを集客できる
自社のWebサイトのSEO対策は、Web集客の手法の中でも、不動産ポータルサイトやリスティング広告などと違い、費用をかけずに集客を見込める施策です。
不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が出稿する物件情報を一元化し、ユーザーが希望の物件を検索、閲覧できるサイトを指します。
リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際、検索上位に表示される有料の広告です。リスティング広告を活用したマーケティング対策については、下記で詳しく解説しています。
「不動産会社はリスティング広告を実施すべき?成果を出すためのコツも紹介」
不動産ポータルサイトもリスティング広告も、物件を探している顕在層に対して効果的に認知を得やすい施策です。ただし、掲載費や広告費が発生します。さらに、流入先である自社サイトのコンテンツ力が低い場合は、問い合わせや来店につながりにくい点も課題です。
一方、SEO対策を通じて充実した自社サイトを構築し、上位表示されるようになれば、有料施策に依存することなく、集客コストを削減しながら収益増加を目指せます。
ブランディング効果が見込める
SEO対策により検索ランキングが上昇するほど、自社ブランドの認知度も向上します。検索順位には検索エンジンからの信頼性や専門性の評価が影響するため、上位表示されれば、間接的にその企業の信頼性を示せるのです。
特に、特定のエリア名を含むキーワードで上位表示された場合、ユーザーに対して、その地域に強い不動産会社という印象を与えられるでしょう。物件を探しているユーザーは、検索キーワードにエリア名を入れることが多いため、効果的な戦略といえます。
自社が得意なエリアに特化したコンテンツを継続的に発信し続けることで、地域密着型のブランドイメージが強化され、さらには他社との差別化も図れます。
中長期的に安定した集客が見込める
良質なコンテンツを定期的に更新し続ければ、有益な情報を提供していると検索エンジンから認識され、Webサイトの評価は高まります。結果が出るまでには一定の時間を要しますが、価値の高いサイトを一度構築できれば、中長期的に安定した流入数を見込めます。
有料広告の場合は、利用している限り広告費が発生し、停止すると反響が減ります。一方で、SEO対策は初期費用と維持費がかかるものの、自社サイトを資産として残せる点がメリットです。
不動産会社のSEO施策における上位表示のコツ
SEO施策で成果を得るには、ユーザーにとって真に価値ある情報を提供することが求められます。ここでは、SEO施策で上位表示を目指すために効果的な4つのコツを紹介します。
コンテンツを継続的に更新する
SEO評価を高め、Webサイトの集客力を向上させるには、ユーザーニーズやトレンドに合わせてコンテンツを充実させることが欠かせません。
さらに、コンテンツの更新頻度は、情報の鮮度や企業活動の活発性を示す指標となり、検索エンジンからの評価にも影響を与えます。そのため、継続してWebサイトの運営に取り組むことが重要です。
SEO対策は始めるにあたって高度な技術や知識は要らず、有料広告のように多くの費用をかける必要もありません。ただし、コンテンツ制作をはじめ、キーワードリサーチや物件情報の収集と整理などに、時間と労力を要します。
多忙な業務のなかで、SEO対策に必要なリソースを確保できるか否かは、SEO施策の成功を左右するポイントといえるでしょう。
掲載物件数を意識する
不動産サイトのSEO対策では、ある程度の掲載物件数を確保することが重要です。掲載物件数が増えるほど、対応できるキーワードも多くなり、検索エンジンからの評価も向上します。
また、物件数が豊富なほど希望の物件を見つけられる可能性が高いことから、ユーザー視点でみても掲載物件数の多いサイトは魅力的です。
大手ポータルサイトが検索結果で上位表示される理由のひとつに、掲載物件数の多さがあります。大手ほど物件数を増やすことは難しいかもしれませんが、新しい物件情報があればその都度、掲載や更新を行い、ユーザーにとって有益な情報を増やすことが重要です。
物件の情報をなるべく詳細に記載する
物件を検討する際に役立つ情報が豊富なWebサイトは、検索エンジンから高く評価される傾向にあります。
特に、画像や360度パノラマ写真、動画などの視覚的な情報は重要な要素です。視覚的な情報があると物件の状態がよりリアルに伝わるため、ユーザーの興味や関心を引き、行動を喚起できる可能性が高まるためです。
そのほか、関連キーワードを盛り込んだテキスト情報、物件の魅力、自社ならではのおすすめポイントなどを加えることで、情報の質を高められます。
タイトルや見出しにキーワードを盛り込む
不自然にならない範囲で、タイトルや見出しに対策キーワードを使用しましょう。タイトルや見出しは、Webサイトや各ページの内容を検索エンジンに理解させる上で重要な役割を果たすためです。
ただし、あくまでユーザーにとってのメリットやベネフィットが明確に伝わる内容であることが大切です。多くのキーワードを詰め込んで単なる言葉の羅列になれば、ユーザーの興味や関心は引けません。意味が伝わる、自然な流れの内容に調整しましょう。
不動産会社におすすめの施策は「コンテンツSEO」
SEO施策は、次の3種類に大別されます。
種類 | 内容 |
内部対策 | 【概要】 クローラーによるWebサイトの読み取りを促し、検索エンジンからの評価を最大限に高められるようにサイト内部を最適化する 【具体例】 |
外部対策 | 【概要】 サイト外部からの評価を上げることで、自社サイトの信頼性や権威性を高める施策 【具体例】 |
コンテンツ対策 | 【概要】 ユーザーの検索意図に応えるキーワードを選定して、ユーザーが求める情報を盛り込んだ有益なコンテンツを提供する。必要に応じて、既存コンテンツの改善を図る |
上記のうち、SEO対策による流入数の確保には、潜在層に広くアプローチできるコンテンツ対策が効果的です。質の高いオリジナルコンテンツを継続的に提供することにより、検索エンジンからの評価向上とユーザーからの信頼度向上の両方を狙えます。
不動産会社のコンテンツSEOでは、後述するような多岐にわたるテーマが候補にあげられます。
不動産会社におけるコンテンツSEOのテーマ例
不動産会社のコンテンツSEOにおすすめのテーマに、下記の5つがあります。
・物件紹介
・営業エリアの地域情報
・不動産データ
・住宅にまつわる税制や助成制度の解説
・不動産用語の解説
それぞれについて解説します。
物件紹介
物件を探しているユーザーにとって必要な情報のひとつが物件紹介であり、不動産会社のSEOコンテンツに欠かせないテーマといえます。
取り扱い物件が増えるたびに更新できるため、コンテンツのネタに困ることも少なく、コンスタントに発信しやすいというメリットもあります。コンテンツの構成を一度作成すれば、あとは個別の内容を変更するのみで済むので、サイト運営の効率化にもプラスです。
間取り、築年数などの基本的な物件データに加え、画像や動画を交えながら物件の特徴やおすすめポイントなども伝えることで、ユーザーの興味や関心を引きやすいテーマです。
営業エリアの地域情報
特定のエリアに絞り、地域密着型で営業する不動産会社は多いのではないでしょうか。地元の不動産会社ならではの観点からエリア情報を発信できれば、特定のエリアの検索結果で上位表示を狙うローカルSEO対策に効果的です。
例えば、自社の扱う物件が多い駅の利便性や周辺の治安、スーパーや医療機関といった周辺施設など、住んでみないとわからない情報などが候補にあがります。
特に、その地域に初めて住む方、遠方からの引っ越しを考えている方に対して、有益な情報提供を行うことが効果的です。
不動産データ
国や都道府県から発表される公示価格や路線価、基準地価などは、不動産を探している方にとって、適正な不動産価格を把握するための重要な指標です。これらのデータは毎年公示されるため、調査結果をテーマにした記事を定期的に更新できるでしょう。
さらに、各ポータルサイトで実施される「住みたいエリアランキング」の結果を基にしたコンテンツもおすすめです。
自社の営業エリアとランキングを結びつけ、そのエリアの特色や選ばれる理由などを明確にした上で物件情報を紹介すれば、ユーザーにとって価値ある情報となります。タイムリーで新規性もあり、不動産に関心のあるユーザーの注目を引きやすいテーマです。
なお、他社が発表するデータを引用する際は、忘れずに出典を記載しましょう。
住宅にまつわる税制や助成制度の解説
住宅税制や住宅向けの助成金などのテーマも一定のユーザーニーズを見込めます。例えば住宅ローン控除、認定住宅の所得税の特別控除、ZEH補助金制度などは、これから住宅を取得する方に必要となるお得な情報です。
住宅に関する税制や助成金の仕組みは、景気の変動や住宅市場の移り変わりにともない、随時改定されています。
税制や助成金の改正に関する最新の情報は、多くのユーザーの関心を引くニュース性があり、住宅の取得を検討するお客さまのニーズにも応えられるため、SEO対策に効果的です。
不動産用語の解説
不動産業界で頻繁に使用される専門用語の解説は、SEOに効果的なコンテンツを数多く作成できるテーマです。
不動産業界の専門用語の中には、一般ユーザーにとって理解が難しいものも多く含まれています。実際の契約で見聞きするような不動産用語を取り上げれば、ユーザーに対しての有益な情報提供となるでしょう。
ただし、不動産用語を取り上げる際は、難しい概念を一般の方も理解できるようにわかりやすく説明することが重要です。
良質なコンテンツを継続して配信することにより、自社のイメージアップやユーザーからの信頼性の向上にもつながります。
まとめ
不動産会社における自社サイトのSEO対策は、中長期的かつ安定したWeb集客を実現する上で有効な手段です。目に見える結果が出るまでには時間と労力を要しますが、価値のあるサイトを構築できれば、自社の資産となります。
特に、不動産会社に効果的な施策がコンテンツSEOです。今回紹介したテーマを参考に、試行錯誤しながら自社の認知度や集客力の向上、収益アップを目指しましょう。
SEO以外にも、不動産会社に適したマーケティング施策について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。