不動産会社はリスティング広告を実施すべき?成果を出すためのコツも紹介

不動産業を営んでいる方の多くは、マーケティング施策に取り組んでいることかと思います。施策のひとつとしてWeb広告の出稿を決めたものの、広告の種類が多く、どれが自社に合っているか判断しかねている方もいるでしょう。 そこで、今回はリスティング広告に絞って不動産会社が実施すべきかどうか、また実施する際に成果を出すためのコツを紹介します。リスティング広告と不動産会社の相性にも触れますので、自社で取り組むか判断する際の参考にしてみてください。


この記事は約7分で読み終わります。

不動産会社はリスティング広告と相性が良い

キーワードの検索結果画面の上部に表示させるリスティング広告は、不動産会社と相性の良いマーケティング手法です。相性が良い主な理由は4つあります。

・顕在層向けのキーワードが多い
・ほかの手法より作業工数が少ない
・自社でコントロールしやすい
・費用対効果が高い

それぞれの理由について解説します。

顕在層向けのキーワードが多い

不動産関連の検索キーワードは、集客につながる顕在層向けのキーワードが豊富で、検索ボリュームも多い傾向にあるのが特徴です。例として、下記のようなキーワードがあげられます。

・エリア名+物件の種類
・マンション+新築+購入
・一戸建て+中古

購買意欲の高さがうかがえる検索キーワードが多いと、不動産の売買に興味のある顕在層を狙った広告を表示しやすくなるため、高い集客効果を見込めます。ただし、検索ボリュームが多いキーワードほど出稿費用がかさむ点には注意が必要です。

ほかの手法より作業工数が少ない

リスティング広告は、広告を出したいときにすぐ出稿できるのが特徴です。出稿媒体との打ち合わせが必要なオフライン広告に比べて、工数を抑えられるので効率的にマーケティングを実施できます。

また、リスティング広告はテキストさえ準備すれば良いため、ほかのWeb広告のように画像や動画などを準備する手間がかかりません。広告を出稿し始めるときはもちろん、途中で内容を変更したい場合でも、少ない工数で対応できます。何かと多忙な担当者の方も活用しやすい手法といえます。

自社でコントロールしやすい

リスティング広告は、広告の配信開始または停止・広告内容の変更などを自社の好きなタイミングで実施できます。

不動産業界は、成約・問い合わせ状況などが刻一刻と変化します。その点でも、臨機応変に対応できるリスティング広告は最適です。顧客がせっかく問い合わせをしたのに該当物件は成約済みだったという事態を避けられるので、顧客満足度の向上にも寄与するでしょう。

また、オフライン広告のように掲載開始までに時間を要することもないので、不動産売買の需要が高まる時期をピンポイントで狙って広告を出すこともできます。

費用対効果が高い

リスティング広告は、単価や利益率の高い商品・サービスほど、費用対効果が高くなる性質があります。これはリスティング広告がクリック課金制であるためです。1件当たりの成約単価が高い不動産業界においても相性が良いといえます。

また、CPA(1件あたりの獲得単価)やキーワードごとの成果を確認して、出稿するキーワードの変更や削除ができる点も費用対効果を高めやすい理由です。

【不動産】リスティング広告で成果を出すためのコツ

リスティング広告を運用する際には、成果を出すために押さえておきたい5つのコツがあります。

・ターゲットを絞り込む
・指名、一般キーワードの設定を行う
・マイクロコンバージョンを定める
・リンク先のページに物件の画像を載せる
・リマーケティング広告も活用する

それぞれのコツについて、成果につながる理由や具体的な内容を解説します。

ターゲットを絞り込む

自社が狙いたいターゲットを絞り込んだ上で、出稿するキーワードや広告の掲載条件を決めることが重要です。

リスティング広告は、広告を表示するためのキーワードはもちろん、時間帯や曜日・エリアなどの条件も設定できます。ターゲット像をより詳細にしておくことで、エリア名を入れ込んだピンポイントでのキーワード選定や、精度の高い条件設定が可能になります。

その結果、クリック単価を抑えられるため、不要な広告費をかけることなく効率的な集客を実現できます。

指名、一般キーワードの設定を行う

リスティング広告から集客につなげるには、広告のターゲットや目的に応じて、指名キーワード・一般キーワードの設定を行うことが欠かせません。適切に設定することで、狙った宣伝効果を得やすくなります。それぞれのキーワードの特徴を下記で紹介します。

指名キーワード

指名キーワードとは、固有名詞を含むキーワードのことです。具体的には、社名・屋号・ブランド名・サービス名・固有の商品名・個人名などが含まれていると、指名キーワードに当たります。例えば、「○○社 マンション 評判」といったものです。

指名キーワードで検索するユーザーは、購買意欲や商品などへの関心が高い傾向にあり、関連する広告のクリック率やコンバージョン率が高くなるのが特徴です。そのため、指名キーワードのリスティング広告は、顕在層にアプローチしたいときに向いています。

一般キーワード

一般キーワードとは、一般名詞のみ含まれ、固有名詞を含まないキーワードのことです。例えば、「マンション 価格」「不動産 投資」などのキーワードです。

一般キーワードを検索するユーザーは、指名キーワードを検索するユーザーに比べると、購買意欲などは低い傾向にあります。ただし、一般キーワードは検索ボリュームが高いため、幅広いユーザーに検索されるのが特徴です。一般キーワードのリスティング広告は、潜在顧客の発掘や認知度拡大に向いています。

マイクロコンバージョンを定める

マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョン達成の前段階に設定するコンバージョンのことです。例をあげると、物件に関する問い合わせを最終的なコンバージョンにした場合、その前段階である会員登録をマイクロコンバージョンとして設定します。

不動産は大きな買い物であるため、コンバージョンの達成ハードルは高くなります。コンバージョン数が少ない状況でも、マイクロコンバージョンを設定していれば、施策の良し悪しを判断したり広告の改善を図ったりできるようになります。

リンク先のページに物件の画像を載せる

リスティング広告のリンク先のページに物件の画像を載せると、成果を出しやすくなります。「取り扱っているのが、どのような物件なのか」を具体的にイメージできるようにしておくと、顧客の購買意欲や関心を高められるためです。

遷移先のページは、テキストだけでなく画像も掲載し、一目でわかりやすいサイト作りを心がけましょう。顧客が問い合わせや資料請求などの次のステップに進みやすくなります。

リマーケティング広告も活用する

リマーケティング広告は、過去に自社のWebサイトに訪問した履歴のあるユーザーに対して、広告を表示できるマーケティング手法です。リスティング広告に、リマーケティング広告を併用することで、成果を高めることができます。

一度、自社のサイトを訪れたユーザーであれば、物件などに関心や購買意欲が高い可能性があります。そのようなユーザーを狙って再度アプローチすれば、集客につなげやすくなるのです。

リスティング広告の運用は代理店に依頼するのもひとつ

リスティング広告で成果を出すには、運用を代理店に依頼するのも有効です。リスティング広告の費用対効果を上げるには、CPA(1件あたりの獲得単価)などの成果の分析が欠かせませんが、DM送付やお客さまとの商談の合間に実施するのは大きな負担がかかります。

代理店を利用すれば、自社で運用するよりも広告出稿にかかる工数を抑えられます。その上、代理店のノウハウを活かして最適な運用ができるため、より大きな集客効果も期待できるのです。

なお、運用を代理店に依頼する際は、運用する広告費の約20%の手数料がかかります。そのほか、運用レポートを作成してもらう際に別途費用がかかることもあります。自社での運用にかかる負担と、依頼した場合にかかる費用感をもとにどちらにするか検討しましょう。

まとめ

リスティング広告とは、キーワードの検索結果画面の上部に自然に広告を表示できる仕組みのことです。顕在層向けのキーワードが多い・掲載時期などをコントロールしやすい・費用対効果が高いといったメリットがあり、不動産会社に向いています。

ただし、成果を出すにはターゲットを絞り込む・指名や一般キーワードの設定を行うなど、やるべきことが多いのも事実です。初めのうちは、自社で運用する際にかかる工数を考慮の上、代理店への依頼を検討することもおすすめです。